無芸大食晴れ女
無芸大食女オカナツが英国の大学院留学中に(2004.7~2005.9)記していた留学備忘録です。
現在は新しいブログを書いています。こちら HPはこちらです。 メールはこちら miffy_7947@yahoo.co.jp @を半角にしてください。 ブログ王ランキング BS blog Ranking 最新のトラックバック
カテゴリ
全体留学 concert/musik theatre travel sports news food お笑い 仕事 books film history 以前の記事
2006年 01月2005年 11月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 2004年 07月 2004年 06月 2004年 05月 2004年 04月 その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
バレーボールを
昔ほど見なくなって、その間に選手は替わり、私が見ていた頃のスター選手だった川合さんや中垣内さんは解説者になり、米山さんはコーチになり、そうして現役でプレーしていた時代も知っている幹保さんが監督として率いている男子バレーボールの試合を今、見ている。
川合さんや中垣内さんがエースだった頃はバレーボール人気はちょっと異常なほどで、アイドル並みの黄色い声援とフラッシュ、私もその中の一人だったのだけど、試合をすればだいたい満員、雑誌はたくさんあったし、TV中継もたくさんあった。その頃もそれほど強くはなかったが、なぜか人気があった。 でもいつの間にかバレーボールが注目されなくなった。それはサッカーや大リーグやその他のスポーツの隆盛と反比例するかのようだった。 そうして今、メダルどころか出場することすら難しくなってしまったオリンピック。その切符を目指して、12人の若者が戦っている。 彼らのバレーボールは荒い。ミスが多いし、駆け引きもない。洗練されていないし、ずる賢さもない。オリンピックに出たことのない彼らは、それでも未経験の舞台を目指し、懸命に戦っていた。 きっとこの状態でよしんばオリンピックに出られたとしても、ろくな戦いはできないだろう。世界との差は大きい。だけど今この目の前で戦っている彼らにその切符を取らせてやりたかった。 人気のある時代を知らず、従ってそれほど騒がれることもなかった彼らは、それでもバレーボールというスポーツが好きだからただひたむきだ。そしてひたむきな彼らを、私は美しいと思った。 杉山マルコス。背も高くないし、言葉もたどたどしい。おそらくコミュニケーションをとるのにも苦労したことだろう。ブラジルにいた頃、ジュニア、ユースを通じてナショナルチームに選ばれたこともなかった彼が今、日の丸を胸につけ戦っている。 彼はコートの中で何度も十字を切る。おそらく己の未熟さを呪いながら、悔しいと思いながら、何とかしてくださいとマリア様に祈るのだろう。失敗したとき彼は天を仰ぎ、そして吼える。 吼える。 ふがいない自分に腹を立てているんだろう。そうして次は決めてやる、と鼓舞しているんだろう。私の人生、あんなふうに自分を叱咤したことあっただろうか。 どうか彼らに、荒いけど美しい彼らに、アテネへの切符を取らせてやってはくれないだろうか。彼らのゲーム運びがつたないのはわかるけれど。ツメが甘いってこともわかってるけれど。
by mugeitaishoku
| 2004-05-26 21:57
| sports
|