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無芸大食晴れ女オカナツの英国留学備忘録です。(2005.9帰国)
by mugeitaishoku
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無芸大食晴れ女
無芸大食女オカナツが英国の大学院留学中に(2004.7~2005.9)記していた留学備忘録です。

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華さんへのレス


日本のサービスに慣れてしまった身としては、英国のサービスはなんだこれ、なんですが、マネジメント(経営)はプロフィットという明確な指標があるのに対し、サービスの質というのは何をもって成功か、何が正しいか、が分かりにくいのでその国の文化や価値観に委ねられたままなんだと思うんです。
英国人にとっては居心地いいと感じられても、日本人にとってはなんだこれ、と感じる、みたいな。
でも例えば英国の愛想のよさ、バス降りる時には運転手さんに挨拶することとか、ASDAのレジの店員さんに"Hi."って言うこととかは、気持ちがよくて好きなんです、これは日本にないなぁって。
で、その愛想のよさに慣れてしまった身でプラハに行って、プラハ・ルズニェ空港の両替所のおじさんの愛想のなさといったら。
ことほど左様に、サービスの質というのは、具体的な指標がない分その国の国民性や価値観に依存してるかな、とは思います。(日本の会社のマネジメントシステムについてケースで取り上げられることは多いけど、サービスっていうのはないですもんね)

華さんとの最近のやり取りを受けて、私も最近「無駄」と「余裕」ということについて考えておりました。
「無駄」と「余裕」は同義ではないと思うのですが、欧州はどちらもあるなぁ、日本はどちらもないなぁ、とは常々感じています。
英国以外の国で生活したことはないので分かりませんが、例えばお湯が出ないと言っては給湯器を付け替える、水が漏れるといっては何人もの人が見に来て都度説明する、そのガラクタの給湯器がいくつあるのか(うちのフラットだけですでに2つ取り替えてもらっている)、何度も違う人が見に来るその人件費はどうなっているのか、無駄が多いなぁーとほとほと感じます。
日本の工場は、11歩かかるところをレイアウトの変更等により8歩に減らす努力までして無駄を減らしているのに。
その様子をサンデープロジェクトで見た時に、ここまでする必要があるのか、3歩減らしたくらいで何が変わるのか、と疑問でしたが、こっちに来て何か分かった気がする。
日本の高い人件費をカバーするためにはそこまでしないとダメなんだ。
だからこれは厳しいけど必要なこと。

そうやって徹底的に無駄を省いた結果、日本は余裕もない国になってしまいました。
11月21日の日記にも書いたのですが、私が欧州に来て衝撃を受けたのはまさにそこです。
経済的には豊かなのにもかかわらず、余裕もある。
ああここには文化がある。歴史がある。宗教もある。建築もある。
無駄だからと切り捨てたりしない人たちがいる。

どちらがいいかはわからないです。
明治維新以降の日本の復興の目覚しさについても別の日記で書いたことがありますが、ある程度切り捨てなければここまでの発展はなかったかもしれないですから。
ですが私個人的には、日本にないものを持っているという点で、純粋に欧州の国々に憧れている点は否めません。
私は学部も経済ですし現在の専攻もビジネスですし実学の典型みたいなことばかり学んでますが、だからこそ自分の知らない世界に憧れて、ハプスブルク王朝の本をあさるように読んでみたり、絵画を見に行ったりしてるんだと思うんです。
そういうものに触れていないとなんかバランスの悪い人間になってしまいそうで。(いえ、むしろ趣味に走りすぎているかもしれない…もっと勉強してから言え、そのセリフって感じ)

ただ、

>かといって、いい加減な英国よりも経済的には苦しく、皆そんなに楽しそうにも見えないし、一部の経済的に恵まれた方達以外の一般市民の大半が大きな不安を抱えて怯えて暮らしているようにも思えたり・・・。

これは疑問です。日本人はやっぱり豊かだと思いますよ。
たまに貧困が生む悲しいニュースも目にしますけど、言ってもそこまで貧富の差もありませんし、平均的に日本人の生活の水準は高いと感じます。
英国は階級社会だと言われていて喋る言葉も読む新聞も違うと聞きましたが、留学生の身分でははっきり言ってそこまで分かりません。
ですがそこには日本人には理解し得ないくらいの貧富の差が厳然と存在するんだと思うんですよね。

国家ベースで言えば、日本と英国で抱えてる問題は似たようなもんだと思います。
このあたりは専門ではないのでよくわかりませんが、英国のpensionも破綻寸前だと聞きますし、世界に名高いNHSのシステムも考え直す時が来ているようなこともBBCのニュースで読みました。

日本人が楽しそうに見えないかどうかはよく分かりませんが、昨晩の土曜日の夜の街の賑わいを見て、この国は猿がいっぱいいるなぁ、とさえ思ったくらいです。
日本でも渋谷とか行っちゃうとあんな感じなのかもしれませんが、日本人のしっとりしたおとなしさって素晴らしいなぁ、と腹出した女の子たちがぎゃあぎゃあ言いながら闊歩しているのを見るたび思うのです。
これは感性の問題ですけどね。

いずれにしても私がこちらで学びたいと思った理由の一つにはこちらの文化や歴史や芸術に少しでも触れることができたら、というものもありますので、時間とお金の許すかぎり色々見てこようと思っています。
華さんの書込みをきっかけに、ちょっと思うところを書かせていただきました。
華さんありがとうございました。

by mugeitaishoku | 2005-02-14 04:51 | 留学
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